「ガイドライン思考」とは、私の造語である。
まずは、マニュアルとガイドラインの定義を説明してみる。
マニュアルとは、 「誰がいつどのような作業をどれだけ行う」というように具体的なものであり、結果のレベルとともに量をはっきり指し示すもの。
ガイドラインとは、法律やルールなどを守るための「指針や指標、方向性」。また、適正化するために留意すべき基準とされるように「物事の判断基準」という意味もある。
例えば、マニュアルは「塩小さじ1を加える」と具体的に指示する内容であれば、ガイドラインは「健康のためには、塩分は控えめに加えるのが望ましい」という内容になる。
一般的に、日本人は「マニュアル」を金科玉条のごとく守る意識が強く、手先のオペレーションを固定してしまう。ワーカーをロボットのように効率化を求めるのであれば、その分野は、今後AIとの戦いの分野である。一方、ホワイトカラーにクリエイティブな発想・行動を求めるのであれば、「ガイドライン」が適当であろう。日本人は工場などのブルーカラーの生産性は高いが、ホワイトカラーの生産性が世界で低いと言われる理由の一つであろうと考える。
「ガイドライン思考」を特に使って頂きたいのは、「手段の目的化」で視野狭窄になりがちな日本人ホワイトカラーである。アナロジー的に考えると、外山先生の「思考の整理学」で述べている「グライダー型人間=マニュアル」と「飛行機型人間=ガイドライン」になるであろう。
参考文献
思考の整理学
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